この間のWOWOWのマイケル・ムーア特集で見逃した「ロジャー&ミー」をDVDで借りてみた。
結局続けて2回観た。
企業城下町だったムーアの故郷フリントの凋落とその原因を作ったGMの会長に会うために探しまくったムーア達の記録です。
非常に印象的なシーンの多いドキュメント映画です。
失業し家を追われる住民、お金持ちたち、GMを弁護するPR担当(彼は後にGMをレイオフされた)、箱物を作るしか能のない行政担当者、そして何よりも印象に残るウサギたち。
みんな、みんな印象に残る人たちばかりだ。
基本的にこの映画には悪人は出てこない。
映画の構成上、GMの会長のみが悪人のように捉えられてしまうかもしれないが彼も単なる企業家だ。
単にコストの削減のために街の基幹産業を外国に移された街の記録です。
資本主義という化け物に翻弄された街の記録です。(今もされ続けている)
一つ一つをとれば悲惨な記録なのですがマイケル・ムーアのユーモアと優しい視線(裏には激しい怒り)によって見所たっぷりの作品になっています。

このDVDには特典として映画を観ながらのムーアの解説が聞けます。
印象に残ったのは2点。
この中でも作品の中でもかなりショッキングなシーンである貧困層の女性が食べるため&毛皮を取るためにウサギを潰すシーン(頭を棒で殴り殺し皮を剥ぐ)はこの映画を公開してからよく質問されたり意見を聞かれるシーンであるが、他にも黒人が撃たれるシーンもあるのにこちらに関しては誰にも話を聞かれたことがないという。
黒人が撃たれるシーンはテレビで見飽きているがウサギが殺されるシーンを見る事はほとんどない。
本当にショッキングなのは人が撃たれるシーンであるはずなのにいつの間にかメディアに毒されてしまっているという話。
そして、この映画を映画会社に売る時の条件としてこの映画の中で家を追われた人に2年間の家賃相当のお金と貧困層のために無料招待券条件にいれた話でした。

中国に生産拠点を移している日本企業の姿がこの映画に重なってしまうのは私だけではあるまい。

下の「ロジャー&ミー」の画像をクリックするとアマゾンに飛ぶのですがレビューの中にまさに富裕層の人と同じような意見があるのはちょっと苦笑いしてしまった。

まあ、見る人によって印象が変わる映画なのでしょう。
つまりそれには色々な要素が詰まってるって事。
必見の映画だと思います。
ロジャー&ミー