1泊1780円「ドヤ」にいるのは20−30歳代

 ■切り詰めても1日3000円…病気もできず

 高山さんは連日、建設作業や廃材整理、足場組み立てなどの日雇いバイトに出る。「仕事が終わるとホッとするような、二度と行きたくない現場ばかり」。それでも夕方、翌日の仕事が紹介されれば、引き受ける。午前8時から午後5時で、日給は7700円。レストボックス利用料が1780円、食費が約2000円、銭湯が430円、交通費やたばこ、缶ジュースに数百円。自転車操業で働かないと、立ち往生する。
 手元に残る、日に約3000円をためれば、1カ月で10万円。3月にはアパートを借りられる計算だ。「住所はレストボックスなんてありえない。抜け出すには、まず貯蓄しなければ」と高山さんは言う。だが、わずかな蓄えも先月はパチンコに費やした。前途は多難だ。
 1月上旬、高熱を出した。しかし、国民健康保険の保険料を払っていないから、保険証がない。医療機関にかかれば、医療費は全額自己負担だ。今回は市販薬でしのいだが、次はどうなるか分からない。
 だが、保険料を支払うつもりはない。「出したくても出せない。年金の保険料も払えない。それより、目の前のことが大事。正社員になれば解決するが、今の自分には無理です」という。
 周囲には、同様に自転車操業の人がいる。大半が日雇いバイトか派遣労働者で、日払いの施設や時間払いのネットカフェで寝泊まりする。
 高山さんは言う。「落ちるところまで落ちた姿。都会の末端には、このレベルで生活している人間がいることが知られているのだろうか」
 総務省統計局のデータによると、バブル景気後の長引く不況を背景に、安価な労働力として期待されるパート、アルバイト、派遣などの非正社員が増え、半面、正社員の減少傾向が続いている。
 特に、その傾向は約10年前から顕著で、平成8年に1043万人だった非正社員は、同18年(7〜9月平均)には1707万人に増加。逆に、3800万人だった正社員は3408万人に減っている。
 医療や年金など、保険料の未納は、都会の20代〜30代フリーターで多いが、この世代には、バブル後の「失われた10年」に就職期を迎えた不運が影を落とす。個々の将来の備えが薄いだけでなく、社会保障の支え手が脆弱(ぜいじゃく)化する構図を、どうしていけばいいのだろうか。高山さんたちの存在が問題を投げかけている。

格差社会が問題じゃなくて再チャレンジできない事が問題なのです。
35歳を過ぎるとガクンと無くなる就職。
セイフティーネットであるはずの雇用保険は労働厚生省の天下り先によって食い荒らされている。

格差なんて昔からある訳ですよ。
貧乏人と金持ちなんて昔からある。
でも、貧乏人が努力すればいつかは金持ちになれるかも知れないと思わせる事が出来なければその社会は活力を失うのは当たり前の話。
気がつけば芸能人や政治家は2世、3世ばかり。
少子化で国の先行きは先細るばかり…。

国民が欲しいのは援助や金ではなくて、「希望」が欲しいのです。
さっさと国会開いて政治してよ。
選挙対策じゃなくて国民の事を考えた政治をお願いします。